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プロボクサーが実践『怒りを収める』メンタルコントロール術

ジムで練習してて、相手に強いパンチをもらった瞬間「この野郎!」って頭に血が上ったこと、ありませんか?

経験談になりますが、ボクシングを始めたばかりの頃は最悪で、ちょっと強いパンチをもらっただけで「やられた分やり返してやる」って無茶苦茶な攻撃をしてバテて、逆にボコボコにされる。

この繰り返しでした。

実は、昔は短気なところがあって、中学の頃はいきがってた事もあり、殴り合いの喧嘩をしたこともありました。高校でボクシングを始めた時も、スパーリングでパンチをもらうとキレて、パンチを振り回してすぐバテてやられるの繰り返しで、

「お前、そんなんじゃ絶対強くなれないぞ」

何度言われたか分かりません。

でも、20年間この競技を続けて、最終的に日本ランカーまで上り詰めることができました。技術やスタミナももちろん大事だけど、その他の大きなポイントとして「怒りとの付き合い方」を覚える事も重要です。

今回は現役時代に身につけた方法をシェアします。これを知ってるかどうかで、ボクシングの上達スピードは確実に変わるし、なにより日常生活も楽になるはずです。

目次

キレやすかった理由

そもそも、なんでボクシングでキレてしまうのでしょうか?

私なりに分析すると、3つの理由がありました。

1. プライドを傷つけられたから
「こんなに練習してるのに、なんでこいつにやられるんだ」って思う。特に格下だと思ってた相手にいいパンチをもらった時なんて最悪です。

2. 痛みへの反発
単純に、痛いから腹が立つ。人間として当たり前の反応なんですけど、ボクシングではこれが命取りになる。

3. 相手への敵意
マスボクシングで「こいつ、わざと強く打ってきてるな」「俺をなめてるのか?」みたいな被害妄想。実際は相手も必死に練習してるだけなのに。

この全部に当てはまってました。そこに全く気が付けていませんでした。

転機になった試合

変わるきっかけになったのは、新人王トーナメントでの試合でした。

相手は僕より格下で、普通にやれば苦労する相手ではないはずでした。でも試合が始まってみると、この相手がとにかくやりにくい。クリンチの時に体重をかけてくる、頭はすごく低い、レフェリーに見えないところで肩を入れてくる。

最初は「まあ、こんなもんか」と気をつけてたんですが、3ラウンド目に完全バッティングがあり流血しました。

「これはやばい、」

と焦ってしまい、無謀な連打攻撃。当然ガードは甘くなるし、スタミナは一気に消耗するし、そこにカウンターをもらって、すごく効いたのを今でも覚えています。結果はなんとか判定勝ちでしたが、この感情を抑えることができなければ、これ以上強くなる事はできないと考えるようになりました。

恥ずかしい失敗から学んだこと

その日から、本気で自分の感情と向き合うようになりました。

まず気づいたのは、怒りがでてくると判断が鈍るという事。

呼吸は荒くなるし、無駄な力が入るし、技術もクソもない。周りから見たら「あ、こいつ余裕ないんだな」って丸分かり。格好悪すぎる。

それに、怒ったところで何もいいことがないんです。

  • パンチの精度が落ちる
  • ディフェンスがおろそかになる
  • スタミナを無駄に消耗する
  • 相手の思うツボにハマる
  • 練習で身につけた技術が使えなくなる

「これって、私生活でも同じじゃないか?」って思いました。

会社で上司にムカついて感情的になったところで、結果的に損するのは自分。電車で隣の人にイライラしたって、相手は何も感じてないのに自分だけストレス溜まる。

バカらしいですよね。

3分で冷静になる具体的な方法

じゃあ、どうやって怒りをコントロールするか。実際に使ってる方法を3つ紹介します。

1. 「4-4-8呼吸法」

これは一番簡単で効果的な方法です。

怒りを感じた瞬間、口を閉じて鼻だけで息をします。4秒で吸って、4秒止めて、8秒でゆっくり吐く。これを3回やるだけ。

なんでこれが効くかって言うと、怒ってる時って絶対に口呼吸になってるんです。しかも浅くて早い呼吸。これを意識的に鼻呼吸に変えることで、自動的に副交感神経が優位になって冷静になれる。

インターバル中、休憩中もしくは寝る前に行うと効果的です。

2. 「10秒ルール」

イライラした瞬間、心の中で10からカウントダウンします。でも、ただ数えるだけで構いません。

数字を数える事「今ここに集中する」事で怒りの感情を切り離す事ができます。

大体5まで数える頃には、不思議と腹が立たなくなってます。

3. 「相手の気持ち想像法」

これはちょっと違う考え方ですが、効果は抜群です。

相手がなんでそういう行動を取るのか、一歩引いて考えてみます。

ジムで生意気な態度の後輩がいても、「こいつも必死なんだな」「認められたくて空回りしてるのかも」って思うと、イライラよりも「分かるなあ」って気持ちの方が強くなる。

職場で理不尽なこと言われても、「この人も上から圧力かけられてるのかな」「家庭で何かあったのかも」って考えると、怒りよりも「お疲れ様です」って気持ちになります。

相手を怒らせる技術(上級者向け)

ここからは、ある程度自分の感情をコントロールできるようになった人向けの話です。

ボクシングでは、相手を怒らせることも立派な戦術の一つなんです。

僕がB級からA級に上がる時の試合で実際に使った方法なんですが、相手がスタミナを消耗してきた頃に、わざと距離を詰めてプレッシャーをかけました。焦った相手が無茶な攻撃をしてきたところを、冷静にカウンターで仕留める。

でも、これをやるには絶対に自分が冷静でいる必要があります。自分も感情的になってたら、ただの殴り合いになっちゃいますからね。

日常生活でも応用できます。会議で感情的になってる人がいたら、こちらは冷静に事実だけを述べる。相手がさらにヒートアップしたところで、周りの人たちは必ずどちらの言い分が正しいか分かります。

ただし、これはあくまで最後の手段。基本的には、お互いが冷静でいられるような雰囲気を作ることの方が大切です。

失敗談も包み隠さず話します

偉そうなこと言ってますが、完璧な人間ではありません。

つい最近も、車の運転をしてて、自分勝手な運転をする車に直面すると一瞬カチンときます。疲れ

でも、すぐに「あ、いけない」って気づいて、10秒ルールをやりました。そしたら「別に大したことじゃないな」って思えて、むしろ「僕も若い頃はあんな感じだったかも」って笑えてきました。

完璧になる必要はないんです。怒りを感じること自体は人間として自然な反応だから。大事なのは、それに気づいて修正できるかどうか。

読者のみなさんへのメッセージ

もしかすると「そんな簡単にいかないよ」って思う人もいるかもしれません。

最初は全然うまくいかなくて、「なんでこんなに怒りっぽいんだ」って自分を責めたこともありました。

でも、大丈夫です。これって筋トレと一緒で、続けてるうちに必ずできるようになります。

僕の場合、本当に変われたなって実感したのは、練習を始めて半年くらい経った時でした。いつものように強いパンチをもらったんですが、その時に「あ、全然腹立たない」って気づいたんです。

後から思い返すと、「俺、成長してる」って心底嬉しかったです。

まとめ 人生が変わった瞬間

20年間ボクシングをやって一番良かったのは、間違いなくこの「怒りとの付き合い方」を覚えたことです。

ボクシングが強くなったのはもちろんですが、それ以上に人間関係が楽になりました。職場でも家庭でも、無駄にイライラすることがなくなって、周りからも「落ち着いてるね」って言われるようになった。

今振り返ると、感情的だった頃の自分って本当に損してたなって思います。せっかくの才能も、積み重ねた努力も、一瞬の感情で台無しにしてた。

でも逆に言えば、これができるようになっただけで人生が変わるんです。

まずは今日から、「10秒ルール」だけでも試してみてください。騙されたと思って1週間続けてみる。きっと変化に気づくはずです。

ボクシングで強くなりたいなら、まずは自分の心と向き合うこと。技術やスタミナと同時に、メンタルも鍛える。

これが、本当に強くなるための第一歩だと確信しています。


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この記事を書いた人

アマチュア含めボクシング歴20年
会社員をしなが日本タイトルマッチ挑戦!
敗北し再度チャンピオンになるために努力していたが、病気が原因でボクサー人生を断念、、
1人でも運動、ボクシングを好きになってもらえる様なサイト運営を目指しています。
ボクシングでスパーリング・試合が出来るまで上達したいと思っている人向けの記事を作成しています。
サイトでチャンピオンになれるよう頑張るので参考になれば幸いです‼

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